西表島

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西表島
ファイル:Iriomote.jpg
宇宙から見た西表島(1991年8月撮影)
座標 北緯24度17分33秒
東経123度51分43秒
面積 289.27km²
海岸線長 130km
最高標高 469.5m
最高峰 古見岳
所在海域 太平洋東シナ海
所属諸島 八重山諸島
所属国・地域 ファイル:Flag of Japan.svg 日本沖縄県八重山郡竹富町
  

西表島(いりおもてじま)は、沖縄県八重山郡竹富町に属するであり、八重山諸島最大の島である。沖縄県内では沖縄本島に次いで2番目に広く、日本では北方領土色丹島よりやや大きく、12番目の面積を持つ[1]。島の人口は約2,000人。

目次

地勢

ファイル:Hatoma island.jpg
隣の鳩間島から望む西表。手前の砂浜が鳩間島。海をはさんで向こう側に見えているのが西表島である。この写真のように、原生林で覆われた西表の上空にだけ雲が発生している状況は頻繁に見られる。

島の面積の90%は亜熱帯の自然林で覆われ、山の斜面・森林ともに海の間近にまで迫っており、平地はほとんどない。人の居住地は海岸線沿いのわずかな土地に限られる。また、島の面積の約8割は国有林に指定されている。

島を構成する古見岳(こみだけ、標高469.5m)、テドウ山(標高441.2m)、御座岳(ござだけ、標高420.4m)の三峰は琉球諸島全体の中でも屈指の標高を有する。そのため太古の海進期にも完全に水没することなく、結果として島の生物群は独特の生態系を維持したまま現在に到る。上記のような山は島の中央ではなくむしろ周辺部にあり、島全体が山で覆われるものの、中央が高いわけではない。仲間川浦内川はいずれも沖縄県では大きな川で、共に島の端近くの山から流れて反対側に出る。平地は島周辺にほんのわずかにあるが、連続していない。外から見ると台形の島である。

川は数多く、また島の外側が急斜面であるため滝も多い。カンピレーの滝マリユドゥの滝、ピナイサーラの滝は観光的にも重視される。

気候

熱帯雨林気候(Af)に属する。

  • 西表島
    • 最寒月平均気温18.5℃(1月)
    • 乾燥限界614mm<年平均降水量2342.3mm
    • 最少雨月降水量152.5mm(12月)
  • 大原
    • 最寒月平均気温18.0℃(1月)
    • 乾燥限界612mm<年平均降水量2223.5mm
    • 最少雨月降水量146.4mm(12月)

生物的自然

山奥から流れ出す浦内川は、上流ではマリユドゥの滝などの多くの景勝地と、下流の汽水域では広大なマングローブ林を形成する。その他にも海岸線の河口や内湾には多くの場所でマングローブ林が発達する。なお、日本産のマングローブ植物7種がすべて分布するのは西表島だけである。立派な板根を形成するサキシマスオウノキもここで見られる。内陸はイタジイウラジロガシを中心とする森林に覆われている。

特別天然記念物カンムリワシイリオモテヤマネコ、天然記念物のセマルハコガメキシノウエトカゲサキシマハブなど、珍しい動植物の宝庫である。また、10,386ha西表石垣国立公園の特別地域に指定されており、そのうち浦内川の源流部が特別保護地区(1,786ha)である。島の森林地域のうち約3841haが国指定西表鳥獣保護区(希少鳥獣生息地)に指定されており、そのうち2306haが特別保護地区である。これはイリオモテヤマネコヨナクニカラスバト等の希少な野生鳥獣の保全を目的としている。

熱帯系の生物が多く、熱帯域の植物でミミモチシダニッパヤシなどはこの島が北限になっている。八重山諸島に固有の動植物も数多い。イリオモテヤマネコのように西表島固有のものはあるが、多くは石垣島など他の八重山諸島の島々と共通である。

イリオモテの名を持つ生物には、以下のようなものがある。

西表島にのみ分布する固有種亜種変種を含む)には以下のようなものがある。

河川

ファイル:Urauchi River Iriomote 2007-04-05.jpg
沖縄県下最長の河川・浦内川の河口
ファイル:Mangrove nakamagawa 200708.jpg
マングローブ林(仲間川)
  • 浦内川
  • 仲間川
  • 仲良川
  • 美田良川
  • アラバラ川
  • 与那田川
  • マーレ川
  • ピナイ川
  • 西田川
  • ナダラ川
  • クーラ川
  • ゲーダ川
  • 大見謝川
  • ヨシケラ川
  • ユチン川
  • ホーラ川
  • ホネラ川
  • 相良川
  • 与那良川
  • 後良川
  • 前良川
  • 後港川
  • ヒドリ川
  • クイラ川
  • ウダラ川
  • アヤンダ川

歴史

マラリア発生地であったため、定住することが困難であり、古くからの集落はごく少ない。古見・祖納集落が例外といえるくらいで、特に古見は古見間切の主邑で1678年には造船所が置かれ、明和年間(1764年1772年)には一時800人を数えるくらいだったという。だが明和の大津波やマラリア流行で人口激減、衰退したため全体として困難な状況は続いていた[2]琉球王朝時代には何度か強制移民が行なわれたが、ほとんど失敗している。また、明治19年(1886年)、三井物産会社は炭鉱採掘の許可を受け、坑夫 200余名に採掘させたが、3年間で100余名の死者を出し、残り過半もマラリアに罹患し、そのため同22年(1889年)に事業を休止した。その後も開発は進まず、人口希薄の状態が続いた(大正8年頃の総人口:2889人)[3]大正末期から昭和初期にかけて、北部内離地区に西表炭坑が開かれ、一時はかなり発展したが、第二次世界大戦中に次第に衰退した。第二次世界大戦末期に、石垣島波照間島の住民が強制的にこの地域に疎開を命じられ、この地で多くの住民がマラリアにかかり死亡した。これを戦争マラリアとよんでいる。これらのことより開発が遅れ、結果として豊かな自然が残ることになった。なお、マラリアは現在では撲滅された。

観光

ファイル:Heritiera littoralis - Sakishimasuo - Iriomote island Japan.jpg
サキシマスオウノキ 仲間川上流に成育する樹齢400年、樹高約20mにおよぶ日本最大の個体。地面から垂直に伸びる板のようなものは板根(ばんこん)と呼ばれる根である。

観光産業は住民経営の民宿や個人商店等があったが、近年上原地区(船浦港の西。浦内川にも近い)にてリゾート開発計画が浮上しており、その工事の一部の着工が強行されたことから、住民のみならず国内の有志もが原告に参加した「西表島リゾート開発差止訴訟」(原告側弁護団長 井口博弁護士)が2003年7月14日に那覇地方裁判所に提訴され、一審で住民側の請求は棄却された。二審も控訴が棄却された。

文化

アカマタ・クロマタ
古見集落に伝わる祭事。全身を草で包まれ、赤と黒の面を着けた神様が山から下りてくる。写真撮影はもちろん録音、スケッチなども一切禁止されている。
なお、同様のものが石垣島宮良、小浜島、新城・上地島にも伝わっている。

主な観光名所

交通

立地の悪さと自然保護の観点から空港は存在せず、アクセスは専ら隣の石垣島からの定期船に頼る(北西から時計回りに、白浜港、上原港、大原港など)。島内の幹線道路は沖縄県道215号が白浜地区から大原地区周辺まで島の東岸沿いを走り、内陸や西岸経由で車が通れる道路はない。なお、北西部の端にある集落の船浮(ふなうき)には、道路が続いておらず、島内の他地域との交通手段は船である。信号は島内に2箇所しかなく、うち小学校の前に設けられたものの設置目的は交通安全教育のためである。

アクセス

大原港(仲間港)
ファイル:Oharakou.jpg
大原港(仲間港)

西表島東部の各集落への玄関口となる港。上原港とは違い、多少、海が荒れても石垣からの船が欠航することはまずない。

  • 八重山観光フェリー
    • 石垣島・石垣港(離島桟橋) 所要35分 朝から夕方まで10往復就航
      ※ほか、貨客船カーフェリー)が週3便就航
    • 竹富島 大原港発の1日1便のみ就航
    • 小浜島 所要30分 1日1往復のみ就航
  • 安栄観光
    • 石垣島・石垣港(離島ターミナル) 所要35分 朝から夕方まで10往復就航
      ※ほか、貨客船(カーフェリー)が週3便就航
    • 波照間島 団体ツアーの利用があった際、波照間島-石垣港航路のうち1本(2便目)が不定期に大原港に寄港する
  • 石垣島ドリーム観光 ※2007年就航
    • 石垣島・石垣港(離島桟橋) 所要35分 朝から夕方まで6往復就航
    • 竹富島 所要40分 大原港発の1日1便のみ就航(石垣行のうちの1便)
    • 小浜島 所要40分 大原港発の1日1便のみ就航(石垣行のうちの1便)
上原港

西表島西部の各集落への玄関口となる港。西表の観光スポットへの利用が便利。八重山観光フェリーと安栄観光は、高速船の上原港発着にあわせて上原港 - 祖納 - 白浜間で無料送迎バスを運行している。ただ、秋から冬にかけては北風の影響で海が大荒れすることが多く、外洋を走る上原行の運休が多発する。数日にわたって欠航が続くこともある。その際は、両社の石垣港 - 大原港発着便に振り替えられ、大原港 - 上原港 - 祖納 - 白浜間の無料送迎バスを利用することになる(船賃は石垣港 - 上原港分が必要)。

  • 八重山観光フェリー
    • 石垣島・石垣港(離島ターミナル) 所要40分 朝から夕方まで5-8往復就航
      ※ほか、貨客船(カーフェリー)が週3便就航
    • 鳩間島 貨客船(カーフェリー)のみ、鳩間島発が週3便就航(上原港→鳩間島便は無い、石垣島経由となる)
  • 安栄観光
    • 石垣島・石垣港(離島ターミナル) 所要40分 朝から夕方まで9往復就航
      ※ほか、貨客船(カーフェリー)が週3便就航
    • 鳩間島 1日2往復就航
      ※ほか、貨客船(カーフェリー)が週1-2便就航
  • 石垣島ドリーム観光
    • 石垣島・石垣港(離島ターミナル) 所要55分(上原発の場合) 週3便就航
    • 鳩間島 鳩間島発が週3便就航(上原港→鳩間島便は無い)

島内の路線バス等

西表島交通

1日6往復

  • 白浜 - 祖納 - 干立 - 浦内川 - ニラカナイ - 浦内 - 住吉 - 星砂の浜 - 中野 - 上原小学校前 - 上原 - ヒナイビーチ前 - 船浦 - 西表島温泉 - 由布水牛車乗場 - 美原 - 古見 - 大富 - 大原 - 大原港 - 大原診察所前 - 豊原
船浮海運
  • 白浜港 - 船浮港 - 網取港 ※道路がない船浮集落を結んでいる。1日3便(網取港経由は週1 - 2便)。

道路

放送

ラジオ

  • 1990年までNHKの中継局が石垣島にあるだけで山を挟んだ島西部では受信しにくく、民放はほとんど受信不可能だった(2003年までRBCiラジオは宮古島のみ中継局があったが、ROKは沖縄本島にある親局のみだった)。
  • AM放送は夜間に外国からの混信で受信困難であるため、中継局はすべてFM波で放送している。NHK1991年11月にラジオ第1が、2003年10月にラジオ第2がFMによる中継局を設置(特にラジオ第2は1972年に沖縄の本土復帰で沖縄県内3ヶ所に設置して以来31年ぶり)。そして2004年4月には琉球放送(RBCiラジオ)とラジオ沖縄(ROK)がFMによる中継局を設置した。
  • FM放送はNHKFMFM沖縄ともに中継局を設置していない。なおNHKFMは石垣島にある中継局(87.0MHz)から受信可能だが(島西部では受信困難)、FM沖縄は島内や石垣島も含め先島諸島で受信不可。
ラジオ中継局周波数一覧(周波数単位はMHz)
所在地(出力) NHK1 NHK2 RBCi ROK
西表島祖納(10W) 85.2 83.1 83.9 81.5

テレビ

  • NHKと琉球放送(RBC)、沖縄テレビ(OTV)が中継局を設置。1967年にNHKの前身である沖縄放送協会(OHK)が開局、1976年にようやく沖縄本島・日本本土と同時放送となったものの長年NHKしか受信できなかった(島のみならず竹富町内すべて)。そして1993年12月にようやく民放(RBC・OTV)が開局した。
  • NHKは石垣島北部の川平テレビ中継局から受信し、さらに与那国島へ電波を送る必要があるため(民放も同じ)、100Wで送信していたが、1998年に送信方法が改善し、与那国中継局はVHFからUHFにチャンネル変更したため、西表祖納局の出力をこれまでの1/3の30Wに減力した(民放はUHFのため100Wのまま)。
  • 琉球朝日放送(QAB)は島内や石垣島も含め、先島諸島に中継局が未設置なため受信不可。このためテレビ朝日系の番組は民教協の番組(生きる×2いきいき!夢キラリ、いずれもRBC・OTVで放送)を除き地上波では見られない。
  • 2006年に沖縄県内でも開始された地上デジタルテレビジョン放送、島東部で受信できる石垣中継局は2008年、西部の西表祖納中継局は2009年に開局予定であるが、いずれもNHKのみ。民放は今のところ検討中で具体的な目処は立っていない(その場合現在アナログでは未放送のQABではデジタル新局として開局予定)。
テレビ中継局周波数一覧
所在地 出力 総合 教育 RBC OTV
西表島祖納 NHK30W・民放100W 8 1 23 25

脚注

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  1. ^ 国立天文台編 『理科年表 平成19年』 丸善、2006年、565頁。ISBN 4621077635
  2. ^ 『郷土資料事典・沖縄県』人文社
  3. ^ 内務省衛生局保健衛生調査室編『各地方ニ於ケル「マラリア」二関スル概況』1919年(大正8年)発行

関連項目

外部リンク